2016年03月29日

子育ての問題は待機児童だけじゃない

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保育園落ちた……で、待機児童問題が注目されている。
もちろんそこも大事なのは当然で、
それを大前提でさらに言わせて貰えば、
保育園に入れたとしても、
その後の小学校の学童問題……いわゆる「小1の壁」だってあるし、
中途半端になってる高校無償化だって、
働かなくても暮らしていける一部の世帯を除く
世の中の多くの子育て中の親御さんたちにとって
子育てしながら働くための壁はたくさんある。

そうやって、「一億総活躍」したくたってできない社会が
思うように働けないお母さんたちの状況が生む。
お母さんが働けないことで生じる
家庭の金銭的な圧迫が
【深刻化する“子どもの貧困】という問題につながっていくのだ。

勉強をしたくてもお金の問題で進学をあきらめる子どもが増えていることだって、
さらには、なんとか卒業したけれど大学の奨学金が返せなくて
卒業後もカツカツの暮らしをしている若者問題などだって、
昨日今日に始まった問題ではない。

みんな続いていて、ずっとつながっている。

日本が、子育て支援が不十分なまま
何年も何十年も放置してきたことの結果が
この現状なのだ。

しかも、今高校生や大学生の子どもを抱えているママたちの頃は、
いま以上に、産休も育休も取れない環境の中、
出産を理由に辞めざるをえなかった人もとても多かった。
それでもなんとか出産して、
いざ働こうと思えば、それまでのキャリアなんてなんの役にも立たず、
働ける状況を何とかねん出できたとしても
パートなどの時短労働を選ぶしか方法も無く、
出産前にもらっていた給料の半分も稼げない。

ある人は、パートでも無理をしてフルタイム働いきながら
もらう給料と変わらないほどのお金を払って無認可に入れていたり、

ある人は保育園に入れず幼稚園に入れる年齢まで働けず
やっと幼稚園に入れてその間の3~4時間だけのパートに出たり、

ある人は子どもをはあずかってもらえずになかなか働けなくて
極限まで切り詰めながら暮らしていたり、

ある人はご主人が帰ってきてから夜働いたり、

と、本当に本当にギリギリでやってきて
高校や大学までなんとか入れtけど、
とうとう継続できなくなったという家庭は少なくないと思う。


子育ての問題は待機児童だけじゃない






もちろん、単純な問題とはだれも思ってはいないだろうが、
再認識してもらうためにあえて言わせてもらう。

単に待機児童がなくなればいい、
保育園にさえ入れればいいわけではなくて、
保育園に無事入れたとしても
そこはまだ子育てのスタート地点に限りなく近いのだということを
政治家も官僚も、さらには世の中の一部の理解の無い人たちにも
きちんと認識してほしい。

待機児童問題は
まだ波打ち際で海に出ようとしているお母さんたちへの対策。
それもとても大切だけれど、
すでに、やむを得ず、誰の助けも無く、
「子育て」という大海原に出てしまって
“溺れる寸前”というお母さんたちもたくさんいる。
そして、口惜しいが、すでに溺れてしまっている人もいるのだ
……ということを、きちんと理解してほしい。

今の世の中、
保育園、小学校、中学校、高校、大学、と、
子どもが必要な教育を受けることにお金がかかりすぎる。
景気も上がらず、家に入ってくるお金は一向に増える兆しもないのに、だ。

だから、お母さんたちは
産む前から不安だらけで、産んでもやっぱり不安は大きくなるばかり。
だけど、子どもは現実に成長していくのだからなんとか最善と思われる方向に
身を削ってでも努力するしかない。
そうやって、その時その時をなんとか凌いだとしても、
子どもが高校や大学に入ったあたりで息切れをする親だっている。

贅沢をさせたいわけじゃない。
ただ、子どもに1人で行きt陸力をつけさせるために
親としてとにかく今は頑張るしかない。
そう思って、ギリギリの生活をしている人もいるのだ。

  ■  ■  ■     ■  ■  ■ 

今、騒がれている保育園待機児童と言われる子どもたち世代のパパママたちだって、
自分たちの子どもの行く末が
お金がないことによる高校や大学中退だとしたら、
たとえ今保育園に入れたとしても不安な気持ちは変わらないだろう。

小学校、中学校、高校、大学
全ての年代の子どもたち一人一人の人生を考えた
長い時間継続できる子育て支援を
考えなければならないのではないかと思う。
それが政治家の方々の役割というものではないだろうか。

子どもを産んで育てるということは
短距離走ではなく、延々と続くマラソンなのだ。
早くスタートした人がどんどん息切れしているのに、
スタート周辺の道だけ整備しても仕方がない。

政治にかかわる人たちはもちろん、
日本の社会全体が、
すでに大海原へ漕ぎだしている人のことの苦しみも、
これから漕ぎ出そうする人の不安もきちんと理解し、
自分のこととして、
心の底から親身になって考え、
「子育て」というコース全体を見渡し、
要所要所を過不足なく整備していってほしい。
「過不足なく」って言うのも難しいことはわかっているけれど、あえて書く。

そうすることで、
みんながゴールできるようになり、
笑顔でゴールする先輩たちのその姿を見て
後からスタートをきる人たちが自然と増えていく……

そんな世の中にしていかなければダメなんじゃないか?
と、子育て中の一人の母として思うのだ。














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Posted by komeko  at 21:30 │Comments(0)モノコト雑記

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